「余剰利益が出たからお金をもらってほしい」というメールが来ましたね?
フィッシング詐欺だということは分かっているのだと思います。
そういうメールを受け取ったのだけれど、これはどういうことなのか、というお問合せをいただきました。
他にも、単に「○○円振り込みます」みたいなメールが来たことがあるかもしれません。
賢明な方は、『そんなうまい話はない』ということで、これが詐欺の手口だということがわかることでしょう。
それでも、「何が得なのか」という疑問は残るようです。
そこで、この手の詐欺で得をするであろう価値観と、手口のシナリオを予想してみます。
こういう説明をすると、詐欺だということがよく分かるという例でもあります。
詐欺の手口は想像の上をいきます。
くれぐれもご注意ください。
きっかけ
『余剰利益が出たので500万円振り込ませて下さい』というメールが来た、というご相談を受けました。
怪しさ大爆発です。
500万円というのは絶妙な金額で、ATMでの振り込み限度額だったりします。
このあたりの情報は常時変わっていくので、別の理由で知っておいた方がよいという話はあります。
それはさておき、そんなうまい話はありません。
お問合せくださった方も、その点は認識されていました。
確認されたかったのは、こういう行為をすることによるメリットは何なのかということです。
敵の狙いは?
大きく2つあると考えられます。
直接的な利益と、間接的、というか、将来的な利益です。
まずは、直近での現金収入が見込めます。
加えて、「こういう話に引っ掛かりやすい人」という情報を得られるのです。
騙す側の立場になって考えてみることです。
いくつかシナリオがあります。たとえばの話です。
バリエーションは無限だと思います。警戒してください。
シナリオ1
お金を振り込むから、テストで送金してほしいというパターンです。
500万円振り込むので、まずは1万円振り込んで欲しい、みたいな話です。
これに引っかかる人が数人いれば、数万円の収入です。
引っかかる人の人数と収入は、完全に比例します。
すごい話です。
500万円がチラついて、振り込んでしまうかもしれません。
振り込んでしまったら、そのままバックレです。
シナリオ2
直接会って手渡すから、まずは会いたいというパターンです。
要するに、ハニートラップです。
直接会って、何かがあって、その人だけだと思っていたら、怖いお兄さんがでてきて脅される、というパターンです。
男なんてちょろい生き物です。
生物学的にみて、致し方ないところはあるのでしょうが、ヒトには理性というものがあります。
金銭欲、物欲、性欲あたりに流されないようにしたほうがよいです。
原始的な欲求であればあるほど、抗えないものがあるのでしょうが。。
ヒトは理性の生き物です。
他にも、何かを売りつけられるとか、怪しげなビジネスを紹介されるとか、考えられますね。
シナリオ3
メールやDMでやりとりして、名前、住所、電話番号、口座番号などの個人情報を聞き出すパターンです。
これらの情報があれば、いろいろできそうな気がしてきます。
その人の生年月日が分かれば、銀行口座の暗証番号に繋がる可能性は大きいです。
住所や電話番号も、大きなヒントになります。
どうでしょうか。
口座番号を手に入れて、そこからはなんでもできそうです。
悪いことに使うということも考えられます。
何かの「踏み台」にされる可能性だってあるでしょう。
知らぬ間に、悪質な行為に手を貸してしまうということも考えられるのです。
見抜き方
うまい話には裏があります。
これが大前提です。
分かりやすいところでは、よくある話なのですが、「日本語が変」ということがあります。
詳しく書くことはしません。
ただ、ネイティブに日本語を使っていれば分かるはずです。
欲に惑わされないでください。
- 関連: Chrome詐欺の件
まずは冷静に、一歩引いてみて、違和感はありませんか?
Google翻訳にかけたような言い回しになっているのではないでしょうか。
普段からお話をしていれば、言い回しの違和感があると思います。
少しでもおかしいと思ったら、その直感に従いましょう。
マジレスしてしまったら
直截的な被害があるようなら、恥ずかしがらずに警察に相談しましょう。
交番でも警察署でも大丈夫です。
すぐに危険を感じるようなら、110番です。それ以外の場合は窓口へ。110番は緊急通報用の番号です。
直接の被害がなければ、国民生活センターへ相談してもよいでしょう。
実被害がないと警察は動きにくいからです。
センターには、似たような事例や対処法の情報が集まっているはずです。
そして、自分の情報が敵に筒抜けだということを自覚し、警戒のハードルを上げておくことです。
可能なら、通知した情報を破棄します。
メールアドレスやクレジットカード情報など、お金に直結するような情報の優先度は高めです。
敵は巧妙です。
場合によっては、友人や恋人や、家族の名を騙ってくるくる場合も想定しておきましょう。
少しでも違和感があれば、直接会話、直接面会を必須としてください。
通知してしまったアカウント関連の情報は、閉鎖するか、厳重警戒の対象とするべきです。
知っておくべきことは、以下です。
- メールアドレスは詐称できる
- 他人になりすますことは簡単
- 自分の行動は監視されている
そういうことですので、敵が本気になったら、趣味趣向であったり、交友関係といったことは、簡単に解析されてしまいます。
インターネットを使って、何を検索しているのか、どういう人たちと付き合っているのか、そういう情報は、簡単に手に入るのです。
自分ではSNSに何も書いていなくても、他人が書いていることだってあり得ます。
口座番号もパスワードも、いくら暗号化したところで、複合化する技術がある以上、絶対に見抜かれないということはないのです!
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