ルーター、L2スイッチ、L3スイッチの違いと使い分け

会社のIT担当に任命されて、ネットワークの管理を任されたものの、「ルーター」や「スイッチ」といった専門用語に戸惑っていませんか。

ネットワーク

ルーターとスイッチ
違いと使い分け

通信の交通整理をしている機械だということはなんとなく分かっていても、それぞれの役割の違いや、「L2」や「L3」といった言葉の意味まではなかなか理解しづらいものです。
この記事では、ネットワーク機器を「郵便配達」や「道路の案内」に例えて分かりやすく解説します。

最後までお読みいただければ、それぞれの機器の違いや見分け方、そして自社のネットワークに合わせた正しい使い分けができるようになります。

ルーターとスイッチとは?

オフィスでインターネットを使うとき、パソコンから出たデータはさまざまな機械を経由して目的地へ向かいます。

その通信の「交通整理」をしているのが、ルータースイッチと呼ばれるネットワーク機器です。
しかし、ひとくちに交通整理といっても、担当する範囲や役割が異なります。

ここでは、それぞれの役割を身近な例に置き換えて見ていきましょう。

ルーターとは: 異なる世界をつなぐ「郵便局の仕分けセンター」

ルーターは、異なるネットワーク同士をつなぐ役割を持っています。
もっとも身近な役割は、会社のネットワーク(社内LAN)と、外の世界であるインターネットをつなぐことです。

ルーターを身近なものに例えるなら、「郵便局の仕分けセンター」です。
仕分けセンターは、県外や海外など、遠く離れた別の地域へ手紙を送るためのルートを判断します。

「この手紙は東京行きだからこちらのトラックへ」「これは大阪行きだからあちらのトラックへ」と、最適な経路(ルート)を選んでデータを送り出すのがルーターの仕事です。
会社からインターネット上のウェブサイトを見るためには、社内のネットワークから外の世界へ出るための「出口」が必要になります。
ルーターは、その出口に立って外部とのやり取りを管理する、とても重要な存在です。

L2スイッチとは: 同じフロアの案内人「マンションの管理人さん」

L2スイッチ(レイヤ2スイッチ)は、同じネットワーク内で機器同士をつなぐ役割を持っています。
スイッチングハブ」と呼ばれることも多く、オフィスの島ごとにパソコンやプリンターをつなぐためによく使われています。

L2スイッチを例えるなら、「同じマンション内の管理人さん」です。
マンションの中で「101号室のAさんから、105号室のBさんに回覧板を届けてほしい」と頼まれたとき、管理人さんはマンション内の部屋番号(MACアドレスという機器固有の番号)を見て、直接書類を届けてくれます。

ルーターのように外の世界(インターネット)へ出るルートを探すことはできませんが、同じフロアや同じ部署の中でのやり取りであれば、素早く正確にデータを届けることができます。

L3スイッチとは: 社内の交通整理はお任せ「大きな会社の社内郵便局」

L3スイッチ(レイヤ3スイッチ)は、L2スイッチの機能に加えて、ルーターのような経路選び(ルーティング)の機能も持っている機器です。
(混乱するかもしれませんが、がんばって下まで読んでください!)

これを例えるなら、「大きな会社の社内郵便局」です。
「営業部のフロア」から「総務部のフロア」へ書類を送りたいとき、わざわざ外の郵便局(ルーター)を通さなくても、社内郵便局(L3スイッチ)が部署間のやり取りをスムーズに処理してくれます。

ルーターはインターネットなど外の世界とのやり取りが得意ですが、社内の部署間での大量の通信をすべてルーターに任せると、処理が追いつかなくなってしまうことがあります。
そこで、社内の異なるネットワーク(部署ごとなど)をつなぐ役割をL3スイッチに任せることで、高速で安定した通信ができるようになります。

違いを表で整理

ここまでの内容を、分かりやすく一覧表にまとめました。

機器名役割の例え主な役割つなぐ場所処理のスピード
ルーター郵便局の仕分けセンター異なるネットワーク間の通信経路を決める社内とインターネットの境界複雑な処理をするため、やや遅い
L2スイッチマンションの管理人さん同じネットワーク内で機器同士をつなぐ同じ部署やフロア内単純な処理のため、とても速い
L3スイッチ大きな会社の社内郵便局社内の異なるネットワーク同士を高速でつなぐ社内の部署間やフロア間ルーターより速く大量の通信を処理できる

L2とL3の見分け方

ネットワーク機器がラックに並んでいるのを見たとき、「どれがルーターで、どれがL2スイッチで、どれがL3スイッチなのか分からない」と悩むことがあるかもしれません。
ここでは、機器を見分けるためのヒントをいくつかご紹介します。

型番やカタログで確認する

もっとも確実なのは、機器の型番をインターネットで検索して、メーカーの製品ページやカタログを確認することです。
カタログの製品説明に「レイヤ2スイッチ」「L2インテリジェントスイッチ」と書かれていればL2スイッチ、「レイヤ3スイッチ」「ルーティングスイッチ」と書かれていればL3スイッチです。

表現が微妙に異なっているところは無視してしまって問題ありません。統一してもらいたいものです。。

提案内容やお見積書から読み解く

業者からの提案書や見積書を見る機会があれば、記載されている機器の役割から推測することができます。

  • L2スイッチの場合:
    「フロア用スイッチ」「アクセススイッチ」「エッジスイッチ」といった名前で提案されることが多く、各パソコンを接続する末端の機器として台数が多く見積もられます。
  • L3スイッチの場合:
    「コアスイッチ」「センタースイッチ」「ディストリビューションスイッチ」といった名前で提案されます。各フロアのL2スイッチを束ねる中心的な役割として、ラックの中心に1〜2台配置されることが多いです。

機械の見た目(ポート数)

外見だけで確実に見分けるのは難しいですが、一般的な傾向はあります。

ルーターはインターネット回線をつなぐためのポート(差し込み口)が数個しか用意されていないことが多いです。
一方、L2スイッチやL3スイッチは、たくさんのパソコンや他のスイッチをつなぐために、24個や48個といった多数のポートが横一列や楡二列にずらりと並んでいるのが特徴です。

おすすめの使い分け

最後に、自社のネットワーク規模に合わせたおすすめの使い分けをご紹介します。

小規模なオフィス(パソコン数十台程度)

部署ごとにネットワークを分ける必要がない小規模なオフィスであれば、「ルーター + L2スイッチ」の組み合わせで十分です。
インターネットの出口にルーターを置き、そこからL2スイッチをつないで各パソコンに分岐させます。
構成がシンプルで、管理も簡単です。

中〜大規模なオフィス(パソコン百台以上・部署ごとに分けたい場合)

部署ごとにネットワークを分けてセキュリティを高めたい場合や、通信量が多い場合は、「ルーター + L3スイッチ + L2スイッチ」の組み合わせがおすすめです。

インターネットの出口にはルーターを配置し、社内の中心にL3スイッチを置きます。
そして、各部署やフロアにはL2スイッチを置き、それらをL3スイッチで束ねます。

これにより、社内の大量の通信はL3スイッチが高速に処理し、インターネットへ向かう通信だけをルーターに任せることができるため、ネットワーク全体が快適に動くようになります。

それぞれの違いをあらためて整理

ルーター、L2スイッチ、L3スイッチは、それぞれ得意な役割が異なります。
まとめとして、あらためて整理します。

  • ルーター:
    インターネットなど、外の世界とのやり取りを担当する「仕分けセンター」
  • L2スイッチ:
    同じフロア内で機器をつなぐ「マンションの管理人さん」
  • L3スイッチ:
    社内の部署間通信を高速に処理する「社内郵便局」

これらの違いを理解することで、業者からの提案内容が分かりやすくなり、自社にとって最適なネットワーク環境を構築できるようになります。
まずは自社のネットワーク構成図を見て、どの機器がどこでどんな役割を果たしているのか、確認してみてはいかがでしょうか。

なるべくシンプルに説明したい

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