SoCとCPUの違いを教えて!
SoCは海鮮丼で、CPUは海鮮丼の中にあるマグロの刺し身です。
なら海鮮丼のほうがいいってこと?
それぞれにメリットとデメリットがあります。
(この例えで合っていますか??)
SoCとCPU
海鮮丼を食べながら、SoCとCPUの違いを説明してみました。
まあまあ分かりやすかったのではないかと思っております。
どうしてCPUが淘汰されてSoCにならないのかという話になると、考え方が難しいかもしれないとも思いました。
指しているところが違う
それぞれが略称ですので、略さないカタチにすれば一目瞭然でしょう。
概念とも少し違うのですが、要するに、指している範囲の違いです。
まずは違いを見ていただいて。
これでだいたいのことはお分かりになると思います。
どうしてふたつの技術が併存しているのかという疑問への答えは、それぞれにメリットがあるからです。
そういったお話は後述します。
SoC
System on a Chip の略です。
システムに必要なものをひとつのチップに収めるということです。
思想のことを言う場合と、その思想でつくられた製品(チップ)のことを言う場合があります。今回は後者ですよね。
CPUもメモリーもストレージも通信アンテナも、ひとつのチップに含めてしまうのです。
ただし、場合によっては、一部を載せていないとか、外部リソースで拡張できるとか、あいまいな部分もあります。
AppleのA13やA15、QualcommのSnapdragonとか、NVIDIAのTegraとかいったものが有名でしょう。
スマートフォンやタブレットなど、小型の端末に搭載されることが多いです。
CPU
Central Processing Unit の略です。
中央演算装置とか訳されます。
コンピューターシステムの頭脳です。
ただし、システムはCPUだけでは成立しません。
メモリーやストレージや、その他もろもろの機器が必要です。
別途準備する必要があります。
IntelのCoreとか、AMDのRyzenとかいったものが有名でしょう。
パソコンやサーバーなど、比較的大きめの機械に搭載されていますね。
比べたときのメリットとデメリット
SoCはとにかく省スペースです。
チップ自体は大きめですが、その大きめなチップの中に、システムに必要なものが詰まっています。
また、必要なものが一連で実装されているので、省電力化や小型化や熱効率などをシステム全体として計画できます。
デメリットは、主に製造に関することが多いと思います。
ひとつのチップに複数の技術を詰め込むので、仕様確定に時間がかかることでしょう。
製造コストも大きくなります。
そして、細かいカスタマイズは難しいです。
それらのせいで、製造計画も難しくなります。たとえば、CPU部分に新しい機能を追加しようとすると、チップ全体の設計しなおしになりかねません。旧バージョンは余剰在庫になりますし、製造ラインの切替えも必要です。
また細かい話ですが、チップの原材料は円盤なので、大きなチップになるほど、歩留まりが大きくなります。
CPUのみを製造するメリットは、SoCのデメリットの裏です。好きなCPUに、好きなメモリーやらその他のあれこれを組み合わせられます。
規格に合ったものをつくるので、スピード感のある、計画的な製造が可能です。
ただそのぶんスペースは取りますし、省電力化や熱効率を考える際、CPU単体での努力には限界があります。
メーカーは、費用などを鑑みて採用技術を決めるわけですが、ユーザーにとっては、あまり深刻に考えなくてもよい部分だと思います。
スペックを気にすればよいかと
選び方ですが、必要だと思う数字を見てください。
SoCとCPUのどちらがよいかは、あまり気にしなくてよろしいかと。SoCでも、載っているものはCPUやメモリーです。
クロック数や容量などはカタログスペックとして数字で表されます。
基本的には数字が大きければ高性能ということで。
その分だけ高額になりますし。
性能と価格のバランスは、やはり自身で見極めてください、となります。
上に書いたように、SoCなのにメモリー増設できるなど、いろいろイレギュラーはありますので。
細かいことをやりたいなら、細かく確認してくださいね。
SoCとCPUでは、まったく意味合いが異なるし、だいたいどのようなものなのかが分かっていれば、確認のスタート地点に立てていると思います。
冒頭の例えであらためて。
SoCは、海鮮丼として具材が決まったものです。都度細かく個別の具材は取り替えられません。
CPUは海鮮丼のうちの具材のひとつです。あとの具材は、お好みで何をどれだけ載せるか、自分で決められるのです。
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