2021年1月31日。
今日、PHSが終わります。
長い間ありがとうございました。
ありがとう。さようなら。
PHS
一般向けのサービスは終了です。
構内利用はしばらく残りますので、PHS技術に触れる機会は、まだありそうです。
すでに卒業してしまい、あとは見守るだけです。
さすがに現行の番号を失効させるわけにはいきませんので。
手続きは年度内まで猶予されています。
PHSとの思い出
思い出されるキーワードたちを書いていきます。
かつてのユーザーにとっては、ちょっと懐かしい話なのだと思っております。
ノスタルジアというやつです。
体験したことがあるものから、体験したことがないものまで。
アステル
ASTELという会社がありまして。
1995年から2005年まで存在していた会社です。
NTTパーソナル、DDI Pocketと、PHSサービスを提供する会社がすでにあって、第3勢力として参入したのでした。
電気事業系の会社ということで、電気の電柱にアンテナを設置していましたね。
Doccimo
1999年にドコモが始めたサービスです。
「Doccimo(ドッチーモ)」といいます。
当時の携帯電波「mova」とPHSを両方使える端末が売られていたのです。
PHSは地下街に強かったり、音質がよかったりといったメリットがあった時代です。
広域はmovaでカバーして、PHSが使えるところでは高音質の通話とかいった使い分けだったのでしょうか。あまりメリットを感じないサービスな気がします。
「050」番号
最初に割り振られていた番号は「050」はじまりでした。
その後「060」も加わりました。
今は070のみですし、すでに携帯電話にも割り振られている番号体系です。
11桁化された初期は、「070-5XXX-XXXX」の番号は古参ユーザーの証だったのです。
DDI Pocket
手元のワイモバイル iPhone SE(第2世代)の番号は、遡るとこの会社で契約した電話番号です。
当時は携帯電話もありましたが、お金がなかったのです。
低価格の方にいきました。。
カメラもなければブラウザーもないような端末でした。
たしか、アンテナが伸びるタイプだったと思います。
64k PIAFS
ろくよん けー ぴあふす
聞いたことがないかもしれませんがw
PHSでデータ通信をしていた時代もあったのです。
そして、64kbpsというスピードは、当時としてはなかなかのものでした。DSL技術とも競えるほどの速さでしょう。
NURO光(2Gbps)や5G(10Gbps)から見たらゴミみたいな速度ですw
専用のUSBケーブルを買ってきて、
PHSとパソコンをつないで。
モデム設定もしておく必要があったはずです。
H´´ と feel H´´
えっじ
ふぃーるえっじ
DDI Pocket時代の技術名だかブランド名だかよくわからないカテゴリーの名称です。
PHSではなく「エッジ」と呼んで販売していたような記憶があります。
2つの基地局間の受け渡しをいい感じにした技術を搭載していたという認識です。
feelが付いたらどうとか、その後のAir H´´がどうといったことは、少し謎めいたところもありますw
ひょっとしたら黒歴史というやつかもしれないですね!
WILLCOM
うぃるこむ
2005年から2014年まで存在していた会社です。
現在のワイモバイルですが、DDI Pocketがなくなったというのはショッキングな事件でした。
新しいPHS提供会社として立ち上がったものです。
ドコモのPHS事業とアステルの回線は、すべてウィルコムに一本化されたのでした。
その後、ソフトバンクといっしょにワイモバイルになるわけです。
Honey Bee
PHS端末のシリーズ名です。
おもちゃのような見た目でした。
機能や見た目がシンプルでけっこう好きだったのです。
使っていた時代があります。
W-ZERO3
ウィルコム時代のオーパーツですw
見た目は、現代のスマートフォンそのものです。
Windows CE を搭載して、タッチ式の画面とスライド式のキーボードを備えていたPHSです。
このデモを見せてもらったときに、フリーズして復旧できなかったところが印象的で、スマホへの不信感はずっと尾を引いていました。
緊急時に最強
W-ZERO3で持ち直した契約回線数でしたが、その後は携帯電話に押されてどんどんと数字を下げていくわけです。
そして2011年、東日本大震災があったのでした。
都内で仕事をしており、固定回線は問題なく通じていました。携帯電話はダメでした。
PHSは問題なく通じました。
おかげで、何件かの連絡を入れてから、徒歩で3時間かけて帰宅したのでした。
移動中も電話できましたので、周りの人たちに比べたら、安心感は違ったと思います。
その後、雪で電車が止まるとか、台風で電車が止まるとか、緊急事態は何度かありましたが、PHSがつながらなくなることはなかったのです。
お花見や花火でも大活躍
人が多くなると、携帯電話は通じません。
利用者数が少ないPHSは、混雑したところでも問題なく通話できました。
もともとひとつのアンテナがカバーするエリアが狭いということもあるのでしょう。
連絡できずに困るとかいったこととは無縁でした。
近くまで来た相手が、混雑エリアに突入して繋がらなくなるということはありましたが。。w
ひとつの時代が終わります
PHSは、
- 低電磁波
- 高音質
- 高速通信
- 低価格
という特徴があり、優れた技術だったと思います。
今でこそ、携帯電話がすべての部分で問題ないようなことになっていますが、当時はPHSの方が優れていたのです。
価格に関してはまだ怪しいわけですw
アンテナが大量に必要とか、技術が独特すぎるとかいった側面もあり、時代に負けましたな。
もともとコードレスホンの延長として開発されたものですから。
ガラパゴスの権化と言って、そのまま然りなのです。
これからは5Gの時代ですね。
PHSのインフラは5Gでも活用できるということですし、これまでのあれこれはまた新たな分野へと引き継がれていくのでしょう。
電波が止まるところまでは付き合えませんでした。
ですが感謝しております。
かなりの時間を共に過ごした電話番号です。
これからも、PHSのことを忘れずに歩んでいきます。
いまさらながら、副回線を停波確認用に残しておけばよかったですね。
時代です。。
失効までの猶予期間
停波するものの、番号の失効までは猶予があるとのこと。
助かります。
まだ、携帯への移行は可能です。
期限は2021年3月31日(水)です。
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