ホスティングとハウジングの違いとは?

ITの世界に足を踏み入れると、「ホスティング」や「ハウジング」といった専門用語によく出会います。
言葉の響きが似ているため、どちらも「サーバーに関係するもの」というイメージはあっても、具体的に何が違うのか戸惑う方も多いのではないでしょうか。

サーバールーム

ホスティングと
ハウジング

「同じようなものなら、違いなんて気にしなくてもいいのでは?」と思うかもしれません。
しかし、これらはサービスを利用する際の「責任の範囲」や「できること」が大きく異なります。

ここでは、IT初心者の方や、極端に言えば中学生でもイメージできるように、身近な例を交えながらホスティングとハウジングの違いを分かりやすく解説します。
さらに、よく混同されがちな「クラウド」との違いについても整理していきます。

ホスティングとは?

ホスティング(Hosting)をひとことで説明すると、「サーバーそのものを借りるサービス」のことです。

インターネット上でウェブサイトを公開したり、メールシステムを運用したりするためには、「サーバー」という強力なコンピューターが必要です。
しかし、自分でサーバーの機械を買ってきて、24時間動かし続けるための環境(電源やインターネット回線、冷房設備など)を整えるのは非常に大変です。

そこで、専門の事業者が用意してくれたサーバーをレンタルするのがホスティングです。

身近な例え:

家具付きの賃貸マンション

ホスティングは、「家具や家電が最初から備え付けられている賃貸マンション」を借りるようなものです。

マンションの部屋(サーバーの場所)だけでなく、ベッドや冷蔵庫(サーバーの機械そのもの)も大家さん(サービス提供者)が用意してくれています。
あなたはカバンひとつで引っ越してきて、すぐに生活(ウェブサイトの公開など)を始めることができます。

もし冷蔵庫が壊れたら、大家さんが修理や交換をしてくれます。
その代わり、「この部屋の壁をぶち抜いて改造したい」といった自由なカスタマイズはできません。

ホスティングの特徴は以下です。

  • サーバーの機械を買う必要がない
  • 故障時の修理などは事業者がやってくれる
  • 手軽に始められるが、自由なカスタマイズには制限がある

ハウジングとは?

一方、ハウジング(Housing)をひとことで説明すると、「サーバーを置くための『場所』と『環境』だけを借りるサービス」のことです。

自社でこだわりのサーバー機械を持っているけれど、「会社の中に置いておくと、停電の時や火事の時に心配だ」「24時間冷房をかけ続ける電気代が高い」といった場合に利用されます。
極論を言えば、「場所」を借りているだけなので、そこに必ずしもサーバーを置かなければならないわけではありません(ルーターなどの通信機器だけを置くこともあります)。

身近な例え:

月極駐車場やトランクルーム

ハウジングは、「月極駐車場」や「トランクルーム」を借りるようなものです。

駐車場(データセンターという専用の建物)には、屋根があり、セキュリティカメラがついていて、24時間安全に車を停められる環境が整っています。
しかし、そこに停める「車(サーバーの機械)」は、自分自身で買って持ち込まなければなりません。

どんな高級車を持ち込んでも、逆にボロボロの車を持ち込んでも自由です。
ただし、車のエンジンが故障したときは、駐車場の管理人は直してくれません。
自分で修理の手配をする必要があります。

ハウジングの特徴は以下です。

  • サーバーの機械は自分で用意して持ち込む
  • 好きな機械を使えるので、自由度が非常に高い
  • 故障時の対応やメンテナンスはすべて自分たちで行う必要がある

クラウドとの違いは?

ホスティングやハウジングと似た言葉として「クラウド」があります。
最近ではクラウドの方が主流になってきているため、ここで違いを整理しておきましょう。

クラウドサービスは、大きく「SaaS(サース)」「PaaS(パース)」「IaaS(イアース)」の3つに分けられます。

SaaS(サース): アプリをそのまま使う

SaaS(Software as a Service)は、インターネット越しに「ソフトウェア(アプリ)」を利用するサービスです。

例えば、GmailやZoom、Googleドキュメントなどがこれにあたります。

例えるなら、「お店で調理済みのハンバーガーを買って、そのまま食べる」ようなものです。
サーバーのことなど一切気にせず、ただサービスを使うだけなので一番分かりやすい形態です。

PaaS(パース)とIaaS(イアース): ホスティングとの違い

分かりにくくなるのは、PaaS(Platform as a Service)やIaaS(Infrastructure as a Service)です。
これらはホスティングと非常に似ています。

  • IaaS(イアース):
    インターネット上で「仮想的なサーバー(コンピューターの部品)」を借りるサービス。(例: Amazon Web Services、Google Cloudなど)
  • PaaS(パース):
    IaaSの上に、さらに「プログラムを動かすための土台」まで用意してくれているサービス。

ホスティングとIaaSの最大の違いは「柔軟性」です。

従来のホスティングが「1年契約で借りた賃貸マンション」だとすると、IaaSは「魔法の部屋を従量課金で賃貸」です。
「今日は友達が100人来るから、ボタン一つで部屋の広さを100倍にして、明日には元のサイズに戻す」といったことが、数分単位、従量課金(使った分だけ払う)でできてしまいます。

違いを一覧で整理

ここまで解説したそれぞれの違いを、分かりやすく一覧表で整理してみましょう。

サービスの種類ひとことで言うと身近な例え機器の用意自由度保守や管理の手間
ホスティングサーバーを機械ごと借りる家具付き賃貸マンション事業者低~中少ない(事業者が対応)
ハウジングサーバーを置く場所を借りる月極駐車場自分高い多い(自分で対応)
クラウド (IaaS)仮想的なサーバーを柔軟に借りる広さが自由自在に変わる魔法の部屋事業者高い中程度
クラウド (SaaS)完成したアプリだけを使うお店で買う完成品のハンバーガー事業者なしなし(使うだけ)

サービス名で判断できなければ詳細を確認すること

ITの世界は、次から次へと新しい言葉や似たような言葉がたくさん出てきます。
また、サービスを提供する会社によっては、ホスティングのような内容なのに「○○クラウド」という名前をつけていることもあります。

言葉の定義にとらわれすぎず、「自分たちはどこまで自由に設定したいのか」「機械が壊れたときは誰が直してくれる契約なのか」をしっかり確認することが重要です。

自分たちが不利にならないように、分からないことがあればそのままにせず、サービス提供者に調べてもらったり、納得いくまで説明してもらったりするようにしましょう。

「これはホスティングですか?ハウジングですか?」と聞くよりも、「サーバーの機械はそちらで用意してくれるんですよね?故障したときの対応はどちらがやりますか?」と具体的に認識を合わせることが、ITサービスを上手に活用する一番のコツです。

なるべくシンプルに説明したい

ご意見やご感想などお聞かせください! コメント機能です。

タイトルとURLをコピーしました