「それでは、ネットワークの確認をします。ここはL2スイッチでつないで、こっちはL3スイッチですね」

L2スイッチとL3スイッチ
違いを整理
ITの現場やネットワークの話をしていると、急に「L2スイッチ」とか「L3スイッチ」とかいう言葉が飛び交うことがあります。
IT初心者にとっては、まるで呪文のように聞こえて、会話についていくのは大変ですよね。
「L2、L3ってことは……もしかしてL4もあるんでしょうか?」なんて思わず聞いてしまいたくなる気持ち、よく分かります。
実は、この「L」の意味さえ分かれば、ネットワークの仕組みは驚くほどスッキリ理解できるようになります。
今回は、中学生でも分かるように、L2スイッチとL3スイッチの違いを基礎から解説します!
「L」とは何か
結論から言うと、この「L」はLayer(レイヤー=層)の頭文字です。
「層って何?ケーキの話?」と思うかもしれませんね。
少し遠回りに聞こえるかもしれませんが、インターネットがどうやって通信しているかという基礎の話が分かると、スイッチの違いもグッと理解が深まります。
ネットワークには層がある
私たちが普段何気なくスマホでLINEを送ったり、YouTubeを見たりできるのは、世界中のコンピュータが「共通のルール」を守って通信しているからです。
このルールの全体像を、役割ごとに7つの「層(レイヤー)」に分けたものを、専門用語で「OSI参照モデル」と呼びます。
ここでは難しく考えず、「通信を成功させるための7つのステップ」だと思ってください。
各レイヤーがどのようなことをやっているのか、一覧表で整理します。層と名前は全世界共通(英語ですが)です。やっていることは、平易な言い方にしているつもりです。
| レイヤー(層) | 名前 | やっていること |
|---|---|---|
| L7 (第7層) | アプリケーション層 | LINEやブラウザなど、アプリの画面でやり取りする |
| L6 (第6層) | プレゼンテーション層 | 文字化けしないように、データの表現形式を揃える |
| L5 (第5層) | セッション層 | 通信の開始から終了までの手順を管理する |
| L4 (第4層) | トランスポート層 | データが迷子にならず、確実に相手に届くようにする |
| L3 (第3層) | ネットワーク層 | 「IPアドレス」を使って、遠くの目的地までの道案内をする |
| L2 (第2層) | データリンク層 | 「MACアドレス」を使って、直接つながっている隣の機器と通信する |
| L1 (第1層) | 物理層 | ケーブルの形や、電気信号のオン・オフなど物理的な決まり |
どうでしょうか?
一番下の「L1(ケーブルなど)」から順番に確認していき、一番上の「L7(アプリ)」まで確認できると、通信が成功するイメージです。
そして、今回の主役である「L2」と「L3」は、この表の下の方にある第2層と第3層のことだったのです。
ちなみに、冒頭の「L4もあるのでしょうか?」という疑問の答えは「YES」です。
L4スイッチ(負荷分散装置など)というものも実際に存在します!
レイヤーの違いが機能の違い
「L」の意味が分かったところで、いよいよ本題です。
L2スイッチとL3スイッチは、それぞれ担当しているレイヤー(層)が違うため、対応できる機能が異なります。
2つのスイッチの違いを一覧表で比べてみましょう。
| 項目 | L2スイッチ | L3スイッチ |
|---|---|---|
| 担当レイヤー | L2(データリンク層) | L3(ネットワーク層) |
| 使う宛先情報 | MACアドレス(機器の固有番号) | IPアドレス(ネットワーク上の住所) |
| 通信できる範囲 | 同じネットワークの中だけ(ご近所さん) | 違うネットワーク同士をつなぐ(遠くの町) |
| 主な役割 | 教室内のパソコン同士をケーブルでつなぐ | 学校のネットワークとインターネットをつなぐ |
| 例えるなら | 内線電話 | 外線電話 |
L2スイッチは、同じ部屋や同じ建物の中にあるパソコン同士をつなぐ「ハブ」の役割をします。
機器に最初から割り当てられている「MACアドレス」を見て、その機器へデータを送ります。
一方、L3スイッチは、L2スイッチの機能に加えて「ルーター」のような道案内(ルーティング)の機能を持っています。
「IPアドレス」という住所を見て、別のネットワーク(違う部署やインターネットなど)へデータを届けることができる賢いスイッチです。
なぜスイッチが2種類なのか
「L3スイッチの方が賢くて遠くとも通信できるなら、全部L3スイッチにすればいいのでは?」と思うかもしれません。
なぜわざわざ機能が分かれているのでしょうか?
理由は主に2つあります。
- 役割分担をしてスピードを上げるため
すべての通信を賢いL3スイッチに任せると、処理が多すぎてネットワーク全体が遅くなってしまいます。そのため、「ご近所(同じ部署内)の通信は単純で速いL2スイッチ」に任せ、「遠く(別の部署や外)への通信だけL3スイッチ」にお願いする、という役割分担をしています。 - コスト(お金)を抑えるため
L3スイッチは複雑な処理ができる分、値段が高くなりがちです。会社や学校に何十台もスイッチを置く場合、すべてをL3スイッチにするのはお金の無駄遣いになってしまいます。必要な場所(ネットワークの出入り口など)にだけL3スイッチを置き、それ以外は安いL2スイッチを使うのが賢い設計なのです。
L3は高いですが賢く、L2は安いですが融通が利かないといった感じでしょうか。
単純に覚えるだけの語呂合わせ
ここまで仕組みを解説してきましたが、「明日のITパスポートのテスト対策で、とにかく暗記したいんです!」という方もいるかもしれませんね。
テスト対策ですか?
単純に覚えてしまうだけという考え方もありますね!
覚えるなら簡単な語呂合わせということで。(AIに聴いてみました。)
兄(L2)はマック(MAC)が好き、サン(L3)タは愛(IP)を届ける
- 兄(L2) は マック(MACアドレス)
- サン(L3) タは 愛(IPアドレス)
これだけ覚えておけば、テストで「IPアドレスを使って通信するスイッチはどれか?」と聞かれたときに、すぐに「愛(IP)だからサン(L3)だ!」と思い出せるはずです。
ネットワークの用語はアルファベットが多くて難しく見えますが、一つひとつの意味をひも解いていくと、実はとても論理的で面白い世界です。
次に「L2スイッチ」という言葉を聞いたときは、ぜひ「あ、MACアドレスでご近所と通信するやつね」と心の中でつぶやいてみてくださいね!


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