システム開発の話をしていたら、「エンティティ」という言葉が出てきた。
以前聞いた「ノード」という言葉とイメージは同じなのか。
見方によっては同じようなことになるときもあります。
システムのことばは英語で考えると分かりやすいです。
「ノード」と「エンティティ」の違い
いっしょのタイミングで登場することがあまりないように思えることばではありますが。。
エンティティはノードになり得ます。エッジにもなり得ます。ノードはエンティティと言えますね。
聞かれてみて、うまく説明できないことに気付きました。
いっしょに整理していきましょう。
システムのカタカナことばは、英語にしてみると分かりやすいことが多いです。
概念の違いに加えて
エンティティの方がノードよりも抽象的です。
それだけ意味が広いわけです。
ただ、双方とも意味が広いので、分かりにくいですし、説明しにくいのだと思います。
概念レベルが違いますね。
加えて、キーワードが登場するときの雰囲気というか話題というか。
何の話をしているかによって、両方登場するようなことが極めて少ないように思うのです。
それぞれの意味を確認
カタカナで書かれているということで、外来語でしょう。
どちらも英語から来ているのです。
それぞれのことばの意味(和訳ですが)を調べると、違いは見えてきます。
英辞郎を頼ってみました。
そのまま引用ではないので、詳しくは本家をご覧ください。
ノード(Node)
訳文は以下です。
- 皮膚の腫れ、こぶ
- 中心点
- 節、結節
- ネットワークへの接続ポイント(ノード)
- 《幾何》結節点
- 《天文》交点
- 《言語学》節点
コンピューター用語として、しっかりと答えが書いてありました。
ざっくり感で見れば問題ないレベルでしょう。
システムの話をするときには、ほとんどの場合、何かと何かを繋ぐ話をします。
それは具体的な機器のこともあれば、システム的なデータや、抽象的な業務など、様々です。ですが、何かと何かを繋ぐということを話すことは多いです。
ここでいう「何か」がノードですね。
イメージだと下図のような感じになります。丸いところがノードです。
たとえば、自宅に無線LANを整える時のことを考えてみます。
ONU、ルーター、Wi-Fiアクセスポイントなどを用意しますね。それらをLANケーブルで繋いで、各機器に設定を入れます。
繋ぐのです。ここでは、ONUとルーターとWi-Fiアクセスポイントがノードです。さらに、PCやスマホなどもノードになります。
ちなみに、LANケーブルがエッジです。Wi-Fiの電波もエッジです。
エンティティ(Entity)
訳文は以下です。
- 存在物、実在物
- 《哲学》実在、存在
- 《哲学》本質
なんともつかみどころがないような和訳でしょう。
哲学的な話が多いようです。
だいたい「実体」とかいった意味合いで使うように思います。
抽象的な概念なのです。
システムの話では、ER図とか構成図とか概念図とかを書くときに話題になると思います。
その中での実体に相当するものです。アイコンとか箱の部分でしょうか。
下図のイメージで、それぞれのアイコンのことです。
たとえば、ネットワークの物理構成図を書くときのことを考えます。
ONU、ルーター、UTM、サーバー、NAS、アクセスポイントなどなど。それらすべてがエンティティです。概念における実体ですので。接続のためのケーブルもエンティティです。
登場する場面が異なるかと
やはり違いがはっきりしないでしょうか。
登場する分野とフェーズが違うのだと思います。
ノードということばが登場する場面は、やはりネットワーク関連の設計から運用、保守および廃棄といった感じです。
節ですからね。
エンティティということばが登場する場面は、要件定義や設計フェーズなどでドキュメントをつくっているような感じです。
「このエンティティは何某」とか、「あのエンティティは何某」とかいった発言があるかもしれません。
ITの人たち同士だけで会話していると、内容がよく分からない時がありますよね。
関係者同士でも意思が統一化できていないことだってあります。
分からないことやはっきりしないことは、些細なことでも確認していくしかないのです。
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