「戦いの火ぶたを切って落とす」は誤用だからな。
ときどき本とかに書いてあるんだけど、ちゃんと校閲通してんのかね。。
火ぶたを切る
or
幕を切って落とす
かっこよく書こうとして、蛇足とゆーかなんとゆーか。余計なことしちゃってる?
「火蓋を切る」か「幕を切って落とす」が正解。
由来を書いとくよ。
戦いはよくないんだけど、フィクションの世界とか史実とかなら仕方ない。
華々しく始まる様子
小説とかかね。
ファンタジーでもなんでもいーんだけど、
何かがいよいよ始まるぜっ!
みたいなときになんてゆー??
そんな話。
火ぶたを切るのはいーんだけど、落としちゃうともう戦えないでしょ?
幕を切って落とすと混同しちゃってるんじゃないのかね。
火蓋を切る
火縄銃での戦いの話がルーツ。
鉄砲隊は横一列に並んで展開。
隊長の掛け声に合わせて一斉発泡するんだよ。
当時の銃は命中精度が低いから、面制圧が基本的な戦術。
自由射撃もあったみたいなんだが。
もはや乱戦状態だよな。
「切る」ってのは「ふさがっているものや閉じているものを開ける」ってことね。
辞書調べてね。
弾込め
弾を込める。
火縄銃は先込め式だから、銃身の先から火薬と弾を突っ込んで、棒で突く。
ここで、点火用の火皿にも火薬を載せて、火ぶたは閉じる。
火縄を付ける
火の点いた縄を引き金と連動してる部分に装着。
この火が火皿から銃身内に入るわけだが。
ここではまだ火ぶたが閉じてるから、火が火皿に入らない。
安全装置がかかった状態。
構え
敵(的)に向かって構える。
まだ火ぶたは閉じたまま。
火ぶたを切れ!
火ぶたを開く。閉じてたものを開けろってことで「切れ」。
射撃準備完了状態。
まだ待機だけど、いつでも撃てる。
ちなみに、このタイミングで火縄から火皿に火が落ちちゃったりすると発泡しちゃう。
事故だから、無視。
誰かが撃ったからって、隊長の命令なしには撃っちゃだめ。
待機。
今回の話題はここね。
火ぶたを切ると、臨戦態勢の最終段階。
即時攻撃可能ってこと。
撃て
一斉射撃。
撃ての合図で、引き金を引く。火縄が火皿に落ちて点火。弾が飛び出す。
撃ったらすぐに銃身内を掃除して、次の指示まで待機。
次も撃つのか、弓隊と入れ替わるのか。
隊長からの指示待ち。
幕を切って落とす
歌舞伎の演出がルーツ。
バーンと始まるときに、幕を落とすんだよ。
幕を開くとか幕を上げるよりも、いっきに舞台が見えるようになる。
ドラマチックでしょ?
で、上に書いたとおり、「開く」とか「上げる」とかも表現に使えるわけだ。一瞬の感じが弱くなって、徐々に始まる印象になるかもね。
火ぶたを壊さずに
火縄銃は大切にね!w
当時は高価な武器だったんだから。いまは文化財としての価値が高い。
火ぶたを落としちゃうと、次が撃てない。安全装置のない危ないシロモノになっちゃう。
てか故障だよね。
そしたら戦線離脱。
鉄砲隊がいなくなったら負けちゃうよ?
だから火ぶたの取扱いは慎重に。
- 合戦の火蓋が切られた
- 合戦の幕が切って落とされた
他にも言い方あって。
- 合戦の幕が開いた
- 合戦の幕が上がった
正しい表現で。
いやぁ~。
合戦なんてしてないで、平和的に話し合いでお願いしたい。
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